2012年12月

鞭打ち症の後遺症の中国気功整体治療

 

 動物は首を傷めすぎると死んでしまいます。そこで、衝突時に瞬間的に衝撃が加わる関節を守るため、反射的に筋収縮を起こすことで、関節トルクを発生させて、ムチ動作を起こします。このムチ動作で、筋肉が激しく収縮し炎症を起こします。しかし、運動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって、むちうち損傷で筋肉に炎症を起こした分、熱エネルギーで神経にもダメージが出る場合もありますが、関節を形成している骨を守ることになります。
 反射トルクとなる筋収縮反射で、衝突時のショックに備えて、頚椎などの損傷を最小限にします。その後、損傷部位が自然治癒するまで、反射トルクとなる筋緊張反射で首などを守ります。ここまでは非常に大切なことなのですが、頚椎捻挫が回復すれば、この緊張を解放しても良いのに、往々にして、この状態(反射トルクとなる筋収縮反射)が定着しています。そういう方の後遺症は、いかにショックを解放してあげるか、ということに着眼点を置いた中国気功整体治療で早く楽になる可能性が高いのです。
 私が担当した例でも、20年以上前のものもありました。たとえて言えば、サイドブレーキをかけた状態で車のエンジンを動かしているようなもので、しんどくなりやすく、この状態だけでも疲労が蓄積してきます。この状態を解放しない限り、元気を出しにくく、季節や天気の変わり目や、人によっては加齢に伴って何十年も後になって後遺症が出てきます。
 私が担当させてもらった範囲では、大半の方が、1年以内の場合は初回で、かなり昔の場合や複数回経験している場合は週1回程度の治療で1ヶ月半ぐらいまでの間に、相当楽になってもらえます。前後に微調整するも行い、治療効果の定着を図っていることもあって、治療効果の継続も確認しています。
 正式な鞭打ち症が残る人は7%という統計結果を知らなかったときは、医師の誤診例ばかりを担当していたのではないのかと感じていました。鞭打ち(むちうち)は損傷があるものでも中国気功整体治療で治る可能性があるので、あきらめないで下さい。
 信じられない人には信じてもらえないかもしれません。楽にならない、治らない、と思い込んでしまってることです。頚椎ばかりに注目するのではなく、もっと、体全体のバランスをとっていく、という中国気功整体治療が得意とする観点から、治療方法を検討していただきたいです。数多くの鍼灸師を渡り歩いてでも、治療効果を引き出せる相性の良い鍼灸師と出会えるよう、粘り強く捜してみて下さい。

鞭打ち症の中国気功整体治療のツボ効能

 右外関→左臨泣:頚椎捻挫の緩和。
 公孫:脊髄症状の緩和。
 申脈→後谿:根症状の緩和。
 左列欠→右照海:炎症の緩和。
 崑崙:頭蓋仙骨の微妙な動きをスムーズにする。
 玉枕:首痛に対する対症療法。
 曲骨:関節の可動範囲の拡大。
 右絶骨:脳髄液循環の改善。
 左交信:間脳の機能改善。
 京門:椎骨動脈の血流改善。
 四涜:リンパ循環の改善。
 小腸兪:伸筋群の機能改善。
 左三焦兪:左心室(全身循環)の機能改善。
 右三焦兪:右心室(肺循環)の機能改善。

むち打ち症の治療法

 

まず初期治療として大切なのは、安静にすることと、患部を冷やすこと。
指などを切ったり擦りむいたりしたときのことを考えれば解ると思いますが、
傷も塞がらないうちに患部に触ると、傷は悪化してしまいます。炎症を起こしているときは
患部が熱をもっていますから、冷やすとそれだけ早く炎症が治まります。シップ薬には炎症を
抑える成分が入っていますが、実際に患部を冷やしているわけではありません。
氷や保冷剤を使って、きちんと冷やすようにしましょう。

炎症が治まったら、本格的な治療に入ります。初期に首を安静にしていたことで、筋肉や
靱帯の損傷は回復しますが、代わりに柔軟性が失われてしまったり、自由に動かなくなったり
するのです。それを元通りにするために、温熱療法やマッサージなどを行います。
さらに整骨院では、患者さんの体質や症状に合わせた全身治療を行います。
むち打ちで衝撃を受けたのは首だからといって、首だけを治療すればいいのではありません。
人間の体は全部つながっています。傷を受ければ患部をかばおうとして、ほかの部分の
筋肉や靱帯に負担がかかってくるのです。骨格にゆがみが出てくることもあるので、全身の
バランスを見ながら治療を進めていかなければなりません。だからこそ、患者さん
ひとりひとりに合わせた丁寧な治療が必要になるのです。

 

むち打ち症の分類

 

 

 頭痛・肩こり・めまい・耳鳴り・眠気・吐き気・手足のしびれといった症状を、全部
まとめて「むち打ち」と呼んでいますが、細かく見ていくと大きく5つのタイプに分類できます。

1、  頚椎捻挫型

頸椎は首の骨のこと。人間の頭部は成人で3~4キログラムあるといわれています。
人間は細い頸椎だけで、この重い荷物を支えているのです。交通事故のときは衝撃で頭が振り回されるので、支えている頸椎が大きく曲げられ、周囲の筋肉や靱帯、軟骨が傷ついてしまいます。これが頸椎捻挫です。
むち打ちの70~80%は、この頸椎捻挫型だといわれています。

むち打ちでは軽傷のほうに入りますが、だからといって舐めてかかってはいけません。頸椎への衝撃がひどいときは、筋肉や靱帯だけのダメージに留まらず、血管や神経が傷ついてしまうこともあるのです。そこまでいくと治療にも長期間かかりますが、残念ながらレントゲン写真やCT映像では傷を確認することができません。だからこそ怖いタイプともいえます。

2、神経根症状型

頸椎の中には、脳と体を結ぶ神経が通っています。交通事故の衝撃で頸椎が変形してしまい、神経の通り道が狭くなってしまったのが神経根症状型です。神経がつねに刺激を受け続けるため、あちこちの痛みや手足のしびれといった症状がずっと続きます。

どの神経が刺激を受けているかによって、出てくる症状が違うのも特徴のひとつ。知覚神経が刺激を受けると、鈍いような痛みが続き、時折鋭い痛みに悩まされたりします。手足のしびれは、運動神経が刺激を受けている状態です。

神経根症状型は、レントゲン写真やCT映像では見つかりにくいタイプですが、神経専門の検査でとらえることができます。

3、バレ・リュー症候群型:頸部交感神経刺激症状型

頸椎を通っている神経のひとつに、交感神経があります。交感神経とは自律神経のひとつで、人間が激しく活動するときに必要になります。

この交感神経がダメージを受けると、頭痛・めまい・耳鳴り・吐き気といった症状が現れます。ほとんどの場合、頸椎捻挫と同時に起こるので診断がつきますが、バレ・リュー症候群の症状しか出ないと、なかなか診断がつかないことがあります。バレ・リュー症候群では、かすみ目・疲れ目といった目の症状、耳鳴り・難聴といった耳の症状、喉の詰まりや飲み込みにくさといった喉の症状が出ることがありますが、眼科や耳鼻科では総合的な診断が難しいからです。

交通事故をきっかけにそういう症状が起きたときには、神経の専門家に見てもらったほうがいいでしょう。

4、脊髄症状型

頸椎の中には脊髄という部分があり、ここをたくさんの神経が通っています。この脊髄がダメージを受けると、下半身や内臓などに異常が起こることがあります。脊髄症状型では、脚がつねにしびれているような状態になることが多いですが、内臓に影響が現れた場合は、下痢や便秘、頻尿といった症状を感じることも。内臓に症状が出るのはごくまれなケースですが、絶対に起こらないとはいえません。

5、脳脊髄液減少症型

ごく最近に発見されたタイプで、まだほとんど研究が進んでいません。中には本当にこんなタイプが存在するのか疑わしいと思っている医師もいます。

人間の脳は、脊髄液という無色透明な液体の中に浮かんでいます。液体の中に浮かんでいることで、脳は衝撃から守られ、正常に働くことができるのです。交通事故の衝撃で脊髄液が漏れだしてしまうと、脳は最適な位置に浮かんでいられなくなり、正常に働けなくなります。これが脳脊髄液減少症型です。

脳脊髄液減少症型で起こる症状は、ざっと上げただけでも頭痛・めまい・視力低下・耳鳴り・難聴・肩こり・筋肉痛・腰痛・手足のしびれ・記憶障害・思考力低下・倦怠感・睡眠障害・免疫異常など、多種多様でバラエティに富んでいます。

軽度なら、積極的に水分を摂って安静にしていれば治るともいわれていますが、まだ治療法についても確立されていません。

むち打ち症発症のメカニズム

 

むち打ち症発症のメカニズム  

むち打ち症の発症の解剖構造からみるとは、首を前に曲げると、頚椎の後方にある上下の棘突起(骨)の間(靭帯部分)が広くなります。そのため頚椎の骨と骨とを繋いでいる軟骨である椎間板(椎間板はメスでも切れるような比較的柔らかい物質です)に水平に線を引くと、頚髄神経の前方は椎間板を、後方は上下の棘突起(骨)の間にある棘間靭帯を通ります。すなわちこの一線上において、頚椎の骨性部分はわずかに椎間関節の上関節突起の先端だけですから、解剖学的構造によって、刃の薄い日本刀でも容易にほとんど抵抗なく斬首できることがわかります。

 車に乗っていて追突された時には、後方から座席ごと背中が水平方向に前方に押し出される衝撃を受けます。体の後方からの衝撃では、唯一上下の骨の間を繋いでいる椎間関節も制動には役にたちません。それは椎間関節は上関節突起と下関節突起で構成されていますが、上関節突起は下位の頚椎の一部であり、上位頚椎の下関節突起よりも前方に位置しています。このため、追突によって体が前方に移動し頭が残るような衝撃を受けると、骨性要素である椎間関節は制動には全く関与しませんので、制動に関係する最も硬い構造物は椎間板になります。しかし、椎間板はメスで容易に切ることができるほど柔らかい軟骨ですから、「ずれる力」がかかると、簡単に断裂します。これが低速度の追突でも、椎間板損傷を引き起こし、むち打ち症を発症する理由です。

 車を運転している時、前方や側方、後方を確認するため、頭はヘッドレストに接しておらず首だけで支持されています。運転席に座っている時の姿勢は、ブレーキ、アクセル等のペダルを操作するために背もたれは軽度後方に傾いており、首は軽く前方に曲げています。この首の位置では頚椎の椎間板から棘突起の間が一直線になります。すなわち切腹し斬首されるときの首の位置になり、首の骨で防御するものはありません。首がこの位置で追突されれば、車に固定されている座席とともに背中も前方に移動しますが、頭部は慣性でその場に残るため首に剪断力(ずれる力)がかかります。文献によれば、追突された時頭部に対して肩が15cm前方に移動しても、頭部は追突以前の位置に止まるとされています。首が剪断力を受けた時この力を防止する骨性の構造物はありませんので、可動性のない軟骨である椎間板に最も剪断力がかかり断裂します。追突時に身構えればむち打ち症の発生をある程度防止できますが、それは筋肉を収縮させて背骨全体を棒のように固定し剪断力を防ぐためと考えられます。

 これまではむち打ち症の発症の原因は、首の生理的な可動域を超えて後屈させられた時に起こると考えられてきました。しかし、最近の研究では首の生理的な可動域の範囲内でも発症することが解りました。すなわち、低速度で追突されてもむち打ち症を発症するのです。

 すなわち、むちうち症は、首への外傷によって、頚椎の椎間板にずれが生じて椎間板損傷を起こして発症することになります。

むち打ち症の痛みが後から出てくる訳とは?

 

 

むち打ち症はレントゲン上に何の問題も無いのにどうして痛みがあるのか?どうしてその痛みが普通の捻挫よりも長期化するのか?どうして後になって痛みが出てくるのか?どうして後遺症が付きまとうのか?と皆さんの疑問が多い不思議な傷病です。むち打ち症による頚部痛・頚部周辺の不快感は特に代表的な症状の一つです。交通事故には様々な原因因子があるためにその損傷部位は一定ではなく、筋群・椎間板・椎間関節・後根神経節など、色々な損傷があると言われています。その中でも、一般的には椎間関節がその発症部位として最も頻度が高いとも言われています。交通事故の場合、被衝撃時に椎間関節が非生理的な挙動を起こすということは間違いの無い事実ですが、どのような損傷をするのかは未だに明らかにはされていません。むち打ち症の特徴として事故直後に頚部痛が出ずに数時間あるいは数日後になって症状が出てくることは医学上では説明がつかないとされています。勿論、保険会社さんは補償の関係上、あまり認めたくないものですから、これを前面に押し出して「レントゲン上の異常がないから・・・」と患者さんを攻め立てます。しかし実際の臨床上では物凄く多い事例でもありますので、これを医学上関係ないということで片付けられてしまっては痛みに悩む患者さんにとってはたまったものじゃありませんよね!事故に詳しい先生なら知っているかもしれませんが、関節内に介在する滑膜組織説が有力ですね。これには以前お話したサブラクセーションとかかわります。被追突衝撃時に椎間関節はムチを打つような動きに連動してスライドする挙動を示します。すると、椎間関節にある「滑膜ヒダ」を挟み込むと言われています。(椎間板の繊維輪の損傷も考えられます)この挟み込みによって滑膜組織に滑膜炎が発生し、数時間後から疼痛や炎症、首の伸展可動域制限などが起こるそうです。これこそが時間差の痛みの謎なのかもしれません。そうすれば説明がつきますよね。私も臨床上の経験を元にみてもこの説はかなり確信が持てそうです。「滑膜ヒダ」は個人差・性差・年齢差があり、一概にどうとは言えませんが、症状の出現のばらつきや遷延化には影響がありそうです。補足です。次回また徐々にやっていきますが、頚椎椎間関節は頚部交感神経とも大きく関与しており、自律神経系の症状も椎間関節の関係が言われています。いずれにしても、患者さんによく聞かれる「事故の痛みってどうして後から痛みがくるの?」の質問の難しいかも知れませんがこれが今のところこれが有力をされています。勿論これには先程話したように事故直後は皆さん興奮したりびっくりしたりしていますので、自律神経が興奮し痛みを感じにくいという話も不正解ではありませんよ!交通事故損傷とはそれほど複雑なんです。

しかし、こんな難しいことを患者さんがすぐに理解することは困難だと思います。

そこで!!私は、むち打ち症の患者さんによくある特徴的な症状についていくつか代表的なものをここに挙げていきます。
交通事故損傷、いわゆるむちうち症になったかも?と思われる方や、骨に異常がないけど・・・どうして・・・と不安を覚えている方にとって、「こんな症状もむちうち症だから起こるのですよ」ということを理解して欲しいのです。
さらに、それを知った上で当院としての治療の目安を大まかですが説明していきます。

1 骨には異常がないと言われたのに症状が改善しない。

2 症状は一進一退で長期間にわたることが多い。

3 痛む場所が初期に関してはあちこちに動くような感じがする。

4 少し運動をしたり、仕事をするだけで症状が悪化してしまう。

5 天候の変化(特に気圧)や寒さ、湿度などに体調が振り回されてしまう。

6 夕方や朝方に痛みやツレが増して辛くなる。

7 集中力がなくなり、長時間の仕事が困難になる。

8 頭痛・だるさ・無気力感・全身の疲労感・不眠など体調が狂う。

9 いったん落ち着いたと思った症状が、出たり消えたりと落ち着かなくなる。

ここに羅列した症状は、当院において、数年間で200例にのぼる患者さんが、みんな口を揃えていうことをまとめてみました。
よく「むちうち症はよく治しておかないと大変だよ」と友人や家族などに言われてくる方も多いようです。

鞭打ち症状(2)

 

1.肩こり、首痛み

首を曲げたり回したりすると痛い。動かさなくてもずっと重いような痛みがある。
肩や首が動かせない。普段はなんともないのに集中して作業をすると首や肩が痛み
出す。これらは、むち打ちの70~80%を占めると言われている頸椎捻挫の症状です。
むち打ち症のなかでは軽傷に入りますが、だからこそ気が付きにくく、
治療を始めるのが遅くなりがちです。

2、めまい

座っているのに世界がグルグル回っているような気がする。立っているとき、歩いて
いるときに地面がフワフワと安定しないような気がする。動いた瞬間にクラリと意識が
遠くなる。これらはむち打ち症のひとつで、首を通っている交感神経がダメージを
受けたときに起きるバレ・リュー症候群の可能性があります。

3、耳鳴り

耳の奥で「ザー」「ジー」といった音がずっと鳴っているような気がする。
心臓が脈打つようなリズムで、継続的に音がする。ふとしたときに「キーン」という音が
聞こえるような気がする。これらもバレ・リュー症候群の可能性があります。
また、交通事故などの衝撃を受けたショックで、耳の奥の筋肉がずっと緊張したままの
状態になってしまったときにも起こります。耳鳴りは症状にかなり個人差があるので
一概にはいえませんが、耳に違和感を感じたら早めに診察を受けましょう。

4、頭痛

ずっと頭が重い。疲れたときに頭が痛む。雨や曇天などの気候や気圧の変動に
あわせて頭が痛む。頭の片側だけが脈拍に合わせて痛む。
頭痛にもさまざまなパターンがありますが、むち打ちでは非常によく見られる症状です。
頸椎捻挫でも、バレ・リュー症候群でも、神経根症状でも、頭痛は起こる可能性が
あります。

むち打ちではこんな症状も起こります

交通事故のときに衝撃を受けやすい首には、脳と体をつなぐたくさんの神経が通っています。
首の骨がかすかにずれているだけでも、神経が圧迫されたり、傷ついたりして、さまざまな
症状が起こってしまうのです。
少しでも体の不調を感じたら、早めに診断や治療を受けるようにしましょう。

1、目の疲れ

交通事故の衝撃で、脳内を流れる血液量に変化が現れることがあります。
首や肩の痛みといったむち打ちの代表的な症状はないのに、目の疲れ、かすみ目
などが起こることがあります。

2、声がかすれる

事故の衝撃で、脳底を走っている動脈の血行が悪くなることによって起きる症状です。声がかすれるまではいかなくても、声を出すときに違和感があったり、喉がいがらっぽく感じることがあります。

3、顔が痛い、表情が表現しにくい

頸椎の神経が圧迫されたり、脳の血行が悪くなったりしたときに起こる症状です。
顔面に痛みがある以外に、顔にベールが被さっているような気がする、しゃべったり
笑ったりするときに違和感がある、といった形で現れてくることもあります。

4、記憶低下

同じく脳底動脈や脳幹部の血行が悪くなることで、起きる症状です。
また、注意力が散漫になったり、集中しようとしてもできなくなることもあります。

5、食欲不良、吐き気

頸椎の神経が圧迫されたり、脳の血行が悪くなったりしたときに起こる症状です。
お腹が空いているはずなのに食欲が出ない、胃のあたりがムカムカする、食べた後に
胃がもたれる、吐き気がするなどの胃腸の障害が、むち打ちで起こることもあるのです。

6、手足のしびれ

神経根に傷がつくと、手足がだるい、手足がしびれるといった症状が起こることが
あります。手足のすべてに症状が起こるのではなく、右手だけ、左足だけといった
感じに、一部だけがしびれたり、動かしにくくなることもあります。脊髄症状型になると、
しびれなどの違和感だけでなく、歩行障害にまで至ることも。治療には時間の
かかることも多いので、なるべく早く診断を受けて適切な治療をしてください。

7、頻尿、尿失禁

むち打ちのなかでも脊髄症状型は、内臓に障害が出てくることもあります。
さっきトイレに行ったはずなのに、すぐにまた行きたくなる頻尿。トイレに行っても
尿が出にくい排尿困難。笑ったりお腹に力を入れたりすると、尿が漏れてしまう尿失禁。悪いものを食べたわけでもないのに下痢をしてしまう。便秘で何日も排便がない。
むち打ちでは、そんな泌尿器や大腸の障害も起こることがあります。

症状が良くなっても安心しないこと

むち打ちは、目に見えないからこそ、完全に良くなったかどうかの診断が難しいともいえます。

治療を受けているうちに、一時的に体のバランスが良くなって、症状が和らぐことがあります。
でも、またちょっとしたショックで悪化してしまったり、気候や着ている服などの影響で
体調が良くなったり悪くなったりすることもあります。これは「治療方法が間違っていた」とか
「先生の腕が悪い」といった問題ではありません。筋肉や靱帯、神経の損傷は一進一退で、
薄皮を剥ぐように治っていくものなのです。

むち打ちの治療を受ける際には、「良くなったからもう通院しなくていい」というような自分
勝手な判断は禁物です。
また、整骨院では天候などの外部からの影響をなるべく少なくできるように、
普段の生活指導なども行っています。むち打ちは完全に治すことが難しい病気ですが、
きちんと治療を受けて、ちょっとした行動にも注意を払うことで、体をできるだけ元の状態に
近づけて痛みや不快感のない生活ができるようになるのです。

むちうち症状について 

 

むち打ちの代表的な症状

むち打ちは、交通事故の衝撃によって首などが大きく曲げられて、筋肉や靱帯が傷ついて
しまうことから起こります。ただ、筋肉や靱帯などの傷はレントゲン写真やMRI画像などには
写らないため、西洋医学では原因を特定することができません。でも、患者さん自身は
「頭痛がする」「肩が重い・痛い」「耳鳴りがする」といった症状を訴えてきます。

大きな衝撃を受けた後に起こる原因不明の頭痛・肩こり・めまい・耳鳴り・眠気・吐き気・手足の
しびれといった「不定愁訴」の症状をまとめて、西洋医学では「むち打ち症」という言葉で
呼んでいます。極端なことをいってしまうと、「○○と××と△△があったらむちうち症で、
※※と**はむち打ち症ではありません」というように、はっきり断定できないのがむち打ち
症なのです。

そうはいっても、むち打ち症とされた患者さんの多くが訴える症状もあります。
交通事故の後にこんな症状が起こったら、むち打ち症かもしれません。
なるべく早く病院や整骨院にかかって、適切な治療を受けるようにしましょう。

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