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むち打ち症の痛みが後から出てくる訳とは?

 

 

むち打ち症はレントゲン上に何の問題も無いのにどうして痛みがあるのか?どうしてその痛みが普通の捻挫よりも長期化するのか?どうして後になって痛みが出てくるのか?どうして後遺症が付きまとうのか?と皆さんの疑問が多い不思議な傷病です。むち打ち症による頚部痛・頚部周辺の不快感は特に代表的な症状の一つです。交通事故には様々な原因因子があるためにその損傷部位は一定ではなく、筋群・椎間板・椎間関節・後根神経節など、色々な損傷があると言われています。その中でも、一般的には椎間関節がその発症部位として最も頻度が高いとも言われています。交通事故の場合、被衝撃時に椎間関節が非生理的な挙動を起こすということは間違いの無い事実ですが、どのような損傷をするのかは未だに明らかにはされていません。むち打ち症の特徴として事故直後に頚部痛が出ずに数時間あるいは数日後になって症状が出てくることは医学上では説明がつかないとされています。勿論、保険会社さんは補償の関係上、あまり認めたくないものですから、これを前面に押し出して「レントゲン上の異常がないから・・・」と患者さんを攻め立てます。しかし実際の臨床上では物凄く多い事例でもありますので、これを医学上関係ないということで片付けられてしまっては痛みに悩む患者さんにとってはたまったものじゃありませんよね!事故に詳しい先生なら知っているかもしれませんが、関節内に介在する滑膜組織説が有力ですね。これには以前お話したサブラクセーションとかかわります。被追突衝撃時に椎間関節はムチを打つような動きに連動してスライドする挙動を示します。すると、椎間関節にある「滑膜ヒダ」を挟み込むと言われています。(椎間板の繊維輪の損傷も考えられます)この挟み込みによって滑膜組織に滑膜炎が発生し、数時間後から疼痛や炎症、首の伸展可動域制限などが起こるそうです。これこそが時間差の痛みの謎なのかもしれません。そうすれば説明がつきますよね。私も臨床上の経験を元にみてもこの説はかなり確信が持てそうです。「滑膜ヒダ」は個人差・性差・年齢差があり、一概にどうとは言えませんが、症状の出現のばらつきや遷延化には影響がありそうです。補足です。次回また徐々にやっていきますが、頚椎椎間関節は頚部交感神経とも大きく関与しており、自律神経系の症状も椎間関節の関係が言われています。いずれにしても、患者さんによく聞かれる「事故の痛みってどうして後から痛みがくるの?」の質問の難しいかも知れませんがこれが今のところこれが有力をされています。勿論これには先程話したように事故直後は皆さん興奮したりびっくりしたりしていますので、自律神経が興奮し痛みを感じにくいという話も不正解ではありませんよ!交通事故損傷とはそれほど複雑なんです。

しかし、こんな難しいことを患者さんがすぐに理解することは困難だと思います。

そこで!!私は、むち打ち症の患者さんによくある特徴的な症状についていくつか代表的なものをここに挙げていきます。
交通事故損傷、いわゆるむちうち症になったかも?と思われる方や、骨に異常がないけど・・・どうして・・・と不安を覚えている方にとって、「こんな症状もむちうち症だから起こるのですよ」ということを理解して欲しいのです。
さらに、それを知った上で当院としての治療の目安を大まかですが説明していきます。

1 骨には異常がないと言われたのに症状が改善しない。

2 症状は一進一退で長期間にわたることが多い。

3 痛む場所が初期に関してはあちこちに動くような感じがする。

4 少し運動をしたり、仕事をするだけで症状が悪化してしまう。

5 天候の変化(特に気圧)や寒さ、湿度などに体調が振り回されてしまう。

6 夕方や朝方に痛みやツレが増して辛くなる。

7 集中力がなくなり、長時間の仕事が困難になる。

8 頭痛・だるさ・無気力感・全身の疲労感・不眠など体調が狂う。

9 いったん落ち着いたと思った症状が、出たり消えたりと落ち着かなくなる。

ここに羅列した症状は、当院において、数年間で200例にのぼる患者さんが、みんな口を揃えていうことをまとめてみました。
よく「むちうち症はよく治しておかないと大変だよ」と友人や家族などに言われてくる方も多いようです。

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